第一章 本当に始めるのかぁ〜?



(これからの話題について)
自分の趣味以外でこのHPに掲載するとは思っていなかったな。
まぁ、それだけ子供が成長した証拠だし、動力機関に興味を持ってくれた事は、機械屋出身の自分としては嬉しいし。
カートかぁ・・・・オモチャじゃん!・・・・の概念はこのあとすぐに消え去る事になるのだが、もうちょっと待てば普通免許取れてレースに参加できるじゃん!の発想がどうにも拭えないでいる。
まぁ、それこそ個々の人間の考え方の違いなので、やってみるだけやってみれば!と思うのである。
完全に子供の趣味の世界ではあるが、さすがに物理的速度を伴う趣味となると、親としてもキッチリ指導したい。
危険性に対する心構えやレーシングスピリット・・・ハングリーマインドと言うべきか?
金銭面や勝負メンタルといったマインドを継続する為には、ある程度は付き合ってやらねばなるまい。
そんな話。


昨年(2007年)の暮れに、よたろー師匠からメール。
「物置整理したいんだけどカート要らない?」

折りしも長男がカートに興味を持ち始めていて地元のカートショップを覗いたりしていたようだったのだ。
レーシングカートの知識など全く無いので
「要らないなら頂戴!」
で貰って来たもののどうするねん?って感じだった。

取り合えず、押しがけでエンジンを掛けるらしい・・・・との事なのでやってみたところ意外にもすぐに掛かった。

その後、HPでいろいろ調査。
1:エンジンは押しがけで直結が普通。
2:このエンジンはYAMAHAのKT100という型らしい。
3:現在でも継続しているのだが、なにしろ20年前の初期型らしい。
2:カートにはサスペンションが無く、フレームがしなって吸収する構造らしい。
3:だからフレームは古いとサスが抜けてるのと同じらしい。
4:近年は前左右のプロテクターが無いと練習走行さえ許可されないらしい。
5:このカートは20年前の規格なのでそんなパイプ(ステー取り付け)すら無い!

と、ここまで判った時点で、このカートで遊ぶ事は断念せざると得ないとの結論になった。
やはり物理速度があるので危険と思われる要素は最大限取り除きたい。
まして子供の命を乗せるマシンであるならなおさらだわな。

まぁ、その前に長男は今年高校受験だしさ・・・・ってか真っ盛りなハズじゃん!(いいのかよ?)
考えるのはそれが済んでからだな・・・・・。

(ほんの僅かな受験期間が過ぎて!?)

ありゃ?
2月だってのにもう受験終わっちゃったんかい?
卒業後に長い春休みの真っ只中。

んで?・・・・やっぱカートやりたいって?
熱心にHPで近所のカートショップを探しては報告してくるので、2月下旬によさげなショップを訪ねてみた。

社長さんとの会話。
(飾ってあるカートを見ながら自分ちにあるモノとモノが違う威圧感に圧倒されながら)
自分「こりゃ、子供のオモチャじゃないね・・・・」
社長「オモチャだと思ったら危険。まず見て触って、この世界を知って欲しい」
自分「貧乏人が出来るんかい?」
社長「確かに金の掛かる趣味。だから継続する為の計画は真面目に行うべき」
自分「(子供がやりたいなら)任せますわ。指導してやって下さい」
社長「それでも絶対に親の理解と協力が必要。親の協力が得られないなら子供には断念させるべき」
自分「具体的には?」
社長「先ずは金銭面での協力。勝手にやれ!で子供(未成年)が出来る訳がない。少なくとも出費に対する理解はすべき」
社長「当然だがサーキットに行かなければならない。免許がない未成年が運べる訳がない。委託すればまた費用が掛かる。どういった形で協力するか?は親の気持ち次第という事」
自分「ところで始める手順は?」
社長
1:先ずレーシングカートを体験してもらう。
2:その上でやる気があるならばコースに出られるまで体験を繰り返してもらう。
3:こちらが「もうコースに出しても大丈夫」と判断したら、初めてライセンス取得などの活動に入る。

う〜ん・・・・真理である。
いろいろなショップを回ってみるつもりだったが、このおじさんに託してみるか。
子供も「ここがいい」と言ってる事だし。(ちなみに地元ショップの店員はTVゲームばかりしていて、まともに会話をしてくれなかったらしい)

で、ベースとなるチーム(ショップ)に決めたのがレーシングカートショップ MORI。先の会話の森社長である。
なんでもその世界では有名な古参らしい。偶然とはいえ、この出会いはラッキーかもしれないな。

取り合えず来月の末に体験しよう・・・・って事になった。
約一ヶ月空けたのは何か考えがあるのか?未だに不明だが、恐らく、お金が掛かる趣味だという事をもう一度よく考えてみろって事なんだろうな。

2008年3月22日(土)

という訳で、行ってきました茂原ツインサーキット
遠い!2時間半も掛かるでやんの・・・・・。
ここは東コースと西コースがあって、東コースは1270mあって四輪も走行できるちょっとしたサーキットのようだ。
今回の西コース(680m)はカート専用なのだそうで、ちょうどエストリル(ポルトガル)をそのまま1/6に縮小した感じだ。

9時半到着。
ピットで準備をしていた森社長を訪ねる。
コントロールタワー(か?)で1日の走行料5千円を支払う。

しっかし・・・・・いや〜!ちっちぇ〜子が多いなぁ〜!!
恐らく6歳前後の子供ばっかり。中学生が2人程度。
え〜!?こんな子がやってるの?・・・・ってか、完全におと〜さんの趣味じゃん!
これに付き合うの・・・・面倒だなぁ・・・・。

ピットに戻って本日のマシンを借りる。
エンジンはKT100で見覚えがある形だ。
フレームはYAMAHAの最新型っぽいぞ!
ミッションは遠心クラッチ付だった。
(スタータモータを改造した自作の)専用スタータでエンジンを掛ける。ちょっとカッコイイ・・・・。
確かに一度掛ければ吸気を塞がない限り絶対にエンストする事はない・・・・こりゃ便利だ!
まだカテゴリーだの規格だのが全然わかってないので、クラス的にどの辺のモノなのか?が判らないが、この方が体力的にも楽かもしれないと思う。

最初はピット横のスペースでOの字の練習。
次にフルブレーキでスピンの感覚の練習。
そして8の字の練習。
オートマ1速(?)だからこの辺は問題ないだろうけど、直結のカテゴリーの場合は、スピン&停車しない限り、ブレーキリリースによる再始動のテクニックが必要だな。
フラッグや停車時の手の振り方からコース復帰までといった基本ルールのレクチャーを一通り受ける。

11時。
いよいよコースへ。
ゆっくりとピットレーンから1コーナーへ消えていく・・・・。
ピットから次に見えるのはバックストレート(?)立ち上がりだが、周りのスピードとの違いに危険すら感じる。
尤もデビュー走行など、こんなものだし、まして自転車以外に経験する常用域ではないので当然であるが・・・。

(ちっちぇ〜子も含む!)周りは完全にシケイン扱いで、気にせず抜いていく。
さぞかしビビってると思いきや(!?)性格ですなぁ〜・・・・淡々と走っています。

12時。
午前中の走行終了。
併設のレストランで昼食しながらコースについて語るが、まだスピードにも目線にも慣れていないのだから「とにかく300周走り込むぞぉ〜!?」で合意!?
昼休みの(レジャー用の)ゴーカートの遅さに驚く。
たった1時間走行しただけのレーシングカートは少なくとも2倍の速度が出ていたからだ。
なるほどねぇ〜・・・・・。

13時。
再びスポーツ走行開始。
一斉にエンジンに火が入ると、雰囲気はちょっとしたものだ。

午後の前半でちょっと変化が。
今日の最速マシンで33秒ジャストくらい。
しかし社長曰く「それほど速いわけではない」なのだが、うちの子はやっと38秒台に入りだす。
100周も周回した頃だろうか。
次第にコーナーでインに付き出す。
後続(周回マシン)が1〜2のコーナーでイラッとし始めるのが判る。

午後は15分でチビッコマシンとの走行分けになったのでちょうどいい休憩のようだ。
おと〜さん「後続がちょっとイラっとしてきたぞ!」
長男「そんなにジャマモノかい!」
おと〜さん「ジャマモノ扱いされるだけ走れてきたって事だ!午前中はジャマにもならなかったワイ!」
長男「・・・・・・」

午後の後半になると、後続(周回マシン)が2〜4のコーナーでイラッとしてきた。
タイムも37秒後半に入ったが、非常にムラがあり、バトルに絡む(絡んでしまった!?)周回では36秒台をマークした。
結局、今回のベストタイムは35秒45で、本人も満足できたようだ。
しかし安定しないという事は、テクニックによるものが大きいのでまだまだ慣れが必要だが、集中力も大きな要因だと気づいた様だ。

1時間で2回・合計30分だから、13時から7本・3時間半の走行は、相当な体力を要する様で、ラストから2本目はリタイヤ!
そしてラスト周回は他が片付けに入った為に単独走行となった。
見ていても疲れから集中力が無くなっているのが判る。
もう限界だな。

まぁ、初めて走行した割にはよく走ったよ。
帰りの車の中ではグッタリ状態。体力作りが必要だと思い知った事だろう。
その日は夕食もそこそこに倒れこむように寝たようだ。

翌日、体がバキバキの状態で「本当にやる気があるのか?」を話し「全然やる気!」との意思を確かめた夜、ヤフオクで、
・スーツ
・グローブ
・シューズ
・プロテクタ
・ストップウォッチ
を購入する。

ここまでに掛った費用は車両レンタル費も含めてすでに7万円を超えている。
やっぱ「ガキの遊びじゃねぇ〜!」って事だ。
(高校に)隠れてでもバイトする!と語った気持ち(決してそうした行動を認める訳ではないがその気持ちが重要なのだ)を信用しようじゃないか!

始める事に関してはOKを出そう。
さ〜て・・・・どこまで付き合うかな〜・・・・・