初めてのユーザー車検!

注)場内の撮影は事前に所管の許可を得た上で行っています

保険の更新ハガキが来ました。ハッ!と気がつくともう2年。
初めて大型バイクを購入してから、初めての車検がやって参りました。
と言うよりバイクは車検を通して乗った事がないので今回が全く初めてです。

当然バイク屋さんに預ける予定でしたが、当のバイク屋さんに「新車から1回目だから大丈夫だよ!ちゃんと教えてあげるから」と背中を押され、よし!と決意した訳です。(感謝!)

車検が切れる1ヶ月前から受付可能との事なので、早速準備に掛かります。

【用意するもの】

1:車検証
2:自賠責保険
3:納税証明書
この他に通常はバイク屋さんが代行の際に使う(或いは代書屋さんが渡してくれる)4枚の用紙
4:自動車検査票1&2(両面)
5:自動車重量税納付書
6:継続検査申請書
7:点検整備記録簿
です。

【準備その1】

1:自賠責保険を更新する。これは近くのバイク屋さんでやってくれます。費用は全国一律です。
2:納税証明書を確保しておく。納税時に送られて来た証明書を探しておきましょ!。
3:車検場に予約を入れる。管轄によって違うかもしれませんが、電話で予約を入れておかないと後回しにされてしまうようです。音声ガイダンスによる自動予約です。
もしある検査が不合格になっても何回もトライできますので、終了まぎわよりも余裕を持って午前中か午後一くらいが良いでしょう。

【準備その2】
1:「自動車検査票1&2」を埋める。
自動車検査票は実際の検査の時に持ち歩いて最後に機械に掛ける用紙ですので折り曲げると怒られます。
車検証を見ながら必要項目を書き込んでいきます。「車体の色」は銀は「灰」だそうです。

2:自動車重量税納付書を埋める。
必要項目(数箇所)を記入する。

3:継続検査申請書を埋める。
赤い部分を埋める。申請人と受検者は本人でも同じ事を2度書かないとダメ!捺印も忘れずにね!

【準備その3】
「点検整備記録簿」を埋める。
面倒臭さがって全項目をチェックしてしまうと、
「プロペラシャフトは何処にあるんじゃぁ?」とか
「このバイクのブレーキはドラムとディスクの2つ付いてるんだな!
とか突っ込まれるので注意が必要です!!?

バイク屋さん(以下メカニックのK氏)曰く、
「項目も時代によってドンドン変るから該当しない項目も結構あるからね!」
です。

通常に乗っていて不具合が感じられない項目はレ点を付けて、ちょっと判らない項目や確かめたい項目は空欄にしておきます。

【事前点検】
なにしろ2年に1回なのでこの際、消耗部品は無条件に交換しちゃいましょう!
1:プラグ交換
2:エアフィルタ交換
3:エンジンオイル交換
4:フロントブレーキフルード量の点検(LOW以下なら足す必要あり)
4:リアブレーキフルード量の点検(LOW以下なら足す必要あり)
5:クラッチフルード量の点検(LOW以下なら足す必要あり)
6:冷却水量の点検(LOW以下なら足す必要あり)
7:タイヤのミゾ点検(スリップサインが出ていないか?のチェック)
8:ブレーキパッド量の点検(パッドがペランとしていなければ大丈夫)
その他
9:4つのウィンカーが点くか?
10:ブレーキランプが点くか?(恐らく2年間で1度も見たことないハズ!)
11:ホーンが鳴るか?(恐らく2年間で1度も鳴らした事ないハズ!)
こんなもんかな?

私の場合は警察の講習会で毎回「ねん・お・しゃ・ちえ・ぶ・く・とう・ば・しめ」をやらされている(!)のでチェック済みにしちゃいました。
えっ?何それ?って?
白バイ隊や二推(二輪安全運転推進委員会)が実践している始業点検項目で、

ねん燃料ガソリンのはあるか?
オイル各種オイル類の点検
しゃ車輪タイヤの点検
ちえチェーンチェーンとスプロケの点検
ブレーキ前後ブレーキの効き具合の点検
クラッチクラッチの効き具合の点検
とう灯火ライト・ウィンカー・ブレーキランプ等の点検(ホーンも)
バッテリーバッテリーの点検
しめ締め付け各締め付けの点検

だそうな。(しかし毎回やらされても覚えんな!)

【事前整備】

な〜んもしません!
ただ、点検整備記録簿にタイヤのミゾとパッドの残量を記入する項目があるのですが、
「みてあげるよ!」
とK氏の嬉しい一言で直前にお願いしちゃいました。
専用の溝計り器(?)で1分も掛からないで記入終了です。

残すは光軸調整だけですが、こればっかりは実際に掛けてみないと判りません
っつーか、掃除の時にライトケース持ってグリッって動かしちゃったりしてたので、多分デタラメです!

「当日は空いているから一緒に行ってあげるよ!」とK氏
え!ホント!うれし!!
(実は目で訴えていたりする自分が居たかも?)

「僕も随分行ってるけど写真は撮った事ないんで写真係だけね!車検は自分でやってみなよ!」
うんうん!それでも十分です!
唯一の心配は「受付の綺麗なお姉さんばかり撮らないで、たまには検査風景も撮ってね!」ですけど・・・・(内緒)。

【本番当日】

自走でバイク屋さんまで。
「何乗っていくの?」
「面倒だからいつもの車に積んでいこうよ」
さすがにちょっと申し訳けなく思ってきました・・・・。

トラックに揺れながらワクワクドキドキ!
実は前日にHPに載せる意味の撮影の趣旨を伝えて許可を求めたんですが、「ダメです」の一言でした。(泣)
その経緯をK氏に伝えると「そう、じゃぁ後で聞いてみるよ。何とかなんでしょう!」と心強いお言葉が!!
(当然この時点では「本当かいな?」ですが)

到着後、すぐに書類の申請です。
K氏が連れて行ってくれましたが、場所が判らなくても聞けばすぐに教えてくれそうな雰囲気です。
重量税と検査手数料(5,000円+1,400円)を一緒に払って印紙を張ってもらいます。

次に隣の棟に行って受付を行います。
予約票が必要ですので準備しておきます。
「じゃぁ、1番がバイクですので入ってください」
「???」
(ああ、もう検査していいよ!の意味かぁ)

その間、K氏は受付のお姉さんと何やら楽しいそうに会話してます・・・・・。
お友達みたい・・。(K氏の好みのタイプが判っちゃった♪)

この印紙の画像は別に隠す必要ないんだけど撮影条件がいろいろあって・・・→→

「撮影の件ちょっと頼んでくるから待ってて」
とK氏は検査場の中へ入っていきます。
数分後、
「いいってさ!カメラ持ってくよ!」


本当に許可取っちゃったよ!
驚きました。
素人には絶対出来ない芸当(その1)です。
(ここにある全写真はそのおかげです!感謝!)

いよいよ検査開始です!

先ずはコースに並んで・・・って、だーれも居ないじゃん!
わ!順番待ちが無い・・・・おお!遠くで検査官らしき人がこっち見てる。
なるほど!早くこっち来いって言ってるんだな!?

心の準備も何もあったもんじゃない!状態で、いきなり検査開始です!

「初めてですか?」
オドオドしているのを見抜かれたようだ。
「はい・・宜しくお願いします!」

後ろでツナギ着たK氏がニヤッと見送る。
(やっぱ余裕ですな!)

左右ウィンカー・ブレーキランプ等の点検後、
「ホーンを鳴らして下さい」
「はい」
冷静を装って、すでに掛かっているエンジンのセルボタンを押しまくる・・・・・。
(・・・・・・あっ!)
思い切り緊張してんじゃん・・・。
(いきなりやってしまった・・・恥ずかし!)

思わずK氏を見てしまう。
腕を組んだままのK氏がニコニコと笑顔を返す。
(・・・有り難くない)

こりゃダメだと思われたらしい・・・・。
「はい、OKです」と向いた先は何故かK氏。
「(これからの)中、大丈夫ですか?」とK氏を向いたままの検査官。
「はい付いてますから」と何故か機嫌のいいK氏・・・・。

テスターに乗る前に壁にライトを照らしてみる。
空いているから出来るワザだそうです。
「ちょっと上かもしれない。1回くらい落ちてみようよ!」
と楽しそう・・・・・。

スタート前にパネルでスピードメータとライトの設定を選択します。
「このバイクのスピード計測は後輪だからね」
と、何気につぶやくK氏をガバッと振り返る!
「そ、そ、そいういう事は早く言ってよね!」

いや、違うな!
自分のバイクの構造を知らないでユーザー車検などと言っているヤツが悪い!
もう後悔まじりの冷や汗でベットリです・・・・。

後ろに誰も居ないからいいようなものの、並んでいたらこの時点でパニックになっていたでしょう。

だって、いくらタイヤ回してもメーターの針が振れない状態になってしまう訳ですから。

スピード計測を後輪、ライトを1灯式にセットして乗車します。

回りに検査官が誰も居ないのに驚きました。
すべてが全自動のようです。
前方の箱の中に1人いるだけで、その人の顔すら遠くて見えません。
完全に孤独です。
素人が一人だっらた不安で耐えられないかも!
ホント!

だから前面の表示パネルを食い入るように見つめます。
全てはそのパネルの言う(表示)通りに従わなければ、訳が判らない状態ですから!

指示通りに、最初に前輪をローラの上に乗せて
「フートスイッチを踏む」(表示)
(何それ?)
とりあえず足元を踏みしめます。
しかし何の変化もなし。
よく見るとスイッチは板ではなく、細い縦棒でした。
下を見る余裕も無かったようで・・・・。

プシューっと音がしてガクンと後輪が下がる。
同時に前後輪を左右から固定されます。
何をされるか判らない状況って気持ち悪い・・・。

「前ブレーキを掛ける」(表示)
思いっきり握る!(そんな必要は無いのだが・・・)

フロントブレーキ「○」!

後輪に移動して同様に固定後
「後ブレーキを掛ける」(表示)
思いっきり踏む!(だからそんな必要は無いんだって・・・)

リアブレーキ「○」!

続いてスピード測定。
指示通りにスイッチを踏む。
必死の形相で上を見ているのでまたスイッチを探してしまう。

グイ〜ンって音と共に後輪が回り始める。
(要するにメーターが40km/hになったら足を離せばいいんだな!)
などと今更の様に唱える。

もちろん小技など知らないので正直にメーター40km/hで足を離す。
「何か間違いがあっちゃイケない」って心理からオーバーアクションになっているのが判ります。
きっとK氏は後ろで笑ってるんだろうな・・・・。

「ブレーキ離したらぶっ飛んでいくらねぇ〜」と事前にK氏に脅されていましたが、前後輪ともしっかりと固定されているので、左右に振られる事は全くありません。
何の心配もありませんでした!(おちょくりやがったな!>K氏)

スピード測定「○」!

最後に、いよいよ光軸測定です。

「ライト検査はハイビームのみの検査である」事は事前にいろいろなHPを調べて知っていましたので、ここでハイビームに切り替えます。

前に進んで白線にライトの位置を合わせます。

あっ!この動作も事前にK氏が教えてくれていたから、すんなり出来たのであって、一人だったら、「なに?なに?次は・・・っと」
と説明を読まなければならないでしょう。
これは本当に後続車がいたら焦りますわ・・・・。(事前知識がなくてのぶっつけ本番は禁物ですぞ!)

もちろん素人には、「この辺かな?」くらいしか判りません。まったくの適当です。

停止して、指示通りにスイッチを踏むと、またプシュ−といって左右から挟まれます。
ウィ〜ンと右から測定器が現れます。
なんかレンズの中でガチャガチャと動いているのが見えます。

プロは、光軸がズレていたり光量が足りない時は、そのガチャガチャを上手く捉えて、無理矢理OKに持ってく場合もあるそうです。

しかし繰り返しですが、んなもん知りません!
だから、怯える子猫のように(!?<=ガラか!)固まったまま動きません。
いえ、動けません!!

大体ね!左右のプシュ〜ってさ、ガッチリ固定されているんですが、自分の「真っ直ぐ」と平衡感覚が違うんですよ!

多分、自分が普段から斜めになっているのを「真っ直ぐ」と思っているのだとは思うんですが、機械の「真っ直ぐ」は自分にとって「かなり斜め!」なので倒れないように押さえているので精一杯・・・・って感覚なんです。

んで、その結果は!!

光軸測定「×」!!!!!!!
(←ヤな拡大写真)

こ、これは・・・・!
どないしょう・・・!?

傍らには、満足げなK氏の姿が・・・・。
そう言や〜、K氏の予想は的中してましたな!
おみそれしました・・・・。

前進して停車し、検査票を機械に挿入する。
するとペロンと吐き出した検査票には「×」印が・・・・。
(やっぱり間違えてくれなかったのね!?)

そのまま乗車して外に出ます。
ここで検査に落ちた箇所を整備して再びトライ!
その日であれば何度でもトライ出来るので頑張らないとね。

ってさ・・・あたしってば・・・工具忘れてんじゃん!
どうやって直すのよ!
あ!違う!予備検査場行って直してもらうんだ!
(もう混乱状態です)

って思っていたらK氏が車から工具を取り出してライトをバラし始めました。

おりょ!?1つ疑問が。
この場でどうやって調整するの?

もうジッと様子を見るだけです。

「あれ?これ自分で開けた事ある?」
「うん」
「このステーさぁ〜90度ズレてんじゃん!」
「・・・うっ・・・・そ、そうなの?」
かなりいい加減なあたし・・・・。

でもさ、
パンッ!って叩いてフタして「完成!」ってのもどうかなぁ〜?
それもかなりいい加減な部類だと思うんですが・・・・!?

「あっ!ちょうど次が始まるから行こう!」
タイミングよく休憩が明けて再開です。

再び誰もいないラインに並びます・・・じゃなくて始めます!
また壁に向かって、さっきと違って今度はマジな顔になっているK氏。
でも何もしていないようだが・・・・。

今度は再検ですのでパネルの下側の「再検」の「ヘッドライト」を選択します。
そのまま最後のライト検査まで進み、再び検査。

完全に半信半疑なわたしが居ます・・・・。
だって上からひっぱたいただけじゃん!

検査が終わり結果は・・・・・。
(結果待ちのあの数秒間ってイヤよね!)

光軸測定「○」!!!!!!!

えええええっっっ?????
ま、丸なのぉ〜〜??
なんでや〜!!(理解不能・・・)

傍らには、まるで宴会の時のような上機嫌のK氏発見!!!
魔法の手とはこういう事をいうのだな。

素人には絶対出来ない芸当(その2)です。
いや、もう3か?4か?・・・わからん!

検査票にもしっかり丸が押されています。
(×の上に○って・・・・)

ともかくこれで全部の検査終了!
あの箱の中にいる検査官に検査票を出してハンコを貰います。

最後に、初めにハンコを貰った棟に戻って全部の書類を提出すると車検証とシールが渡されます!

ついに念願のシールを手にする事が出来ました!

早速、新旧交替です。
とても光ってます!
嬉しっ!


自賠責--18,440円
重量税---5,000円
検査料---1,400円


総合計--24,840円

こうして無事に車検をパスする事が出来ました。時間にして小1時間、検査時間は10分位です。(待ち時間無しの場合)
(尤も、HPの事前調査やK氏のアドバイス等に数時間掛けているが・・・)
費用もビックリするくらい安くついてとても満足しています。
(尤も、有料の申請書をもらっちゃったり、魔法の手が登場したりしたが・・・)

しかし一方で、ちょっと不安な部分もあります。
こうして簡単に(でもなかったか?)車検をパスしてしまうと「本当に大丈夫かいな?」と思ってしまいます。

もちろん今回はプロの的確なアドバイスをもらって出来た経験であって全く安心していますが、自分一人だけで(適当に点検して)パスしてしまったら安心出来るだろうか?と思ってしまいました。

オイルやタイヤといった当たり前の点検以外に、各部の部品劣化や締め付けなど、日頃から日常的に点検や整備をしっかりしている人にとっては、公的な車両検査など、その一部にすぎない訳ですから問題ないと思います。

しかし私のように乗るだけ乗って後は置きっぱなし(!)の状態では、何が起こってもおかしくない訳であって、せめて2年に1回は気がつかない細部までプロの目で見てもらう事は必要なのではないだろうか・・・・と。

昔に比べると車検(代行)は随分安くなったようです。
必要経費を除いた、いわゆる「整備技術料」は2万円前後です。

2年に一度ですからこの位の費用はバイクに掛けてやって、きっちりと点検整備すべきだなと思いました。
(特に私のようにぐうたらな場合!?)

次回の車検は4年経た状態になります。
さすがに無整備状態で4年経過した機械に命を預けるのは怖いかな。
(それで法定点検をパスしてしまうのも問題かもしれない・・・)

とても貴重な経験をしたユーザー車検でしたが、次回はプロに見てもらおっと!
(こんな結末でいいのだろうか・・・・・)

最後にいろいろとアドバイスしてくれたバイク屋さんに改めて感謝です!
(おちょくって遊んでただけという噂もあるが・・・)

忙しい中お付き合いしてくれた上に、撮影までして頂いたK氏(及びそれを許してくれたT社長)、そして場内の撮影を許可してくれた検査場に厚く御礼申し上げます。
有難う御座いました!!