【2012年5月】
暫く遠ざかっていたプラモデルだが久しぶりにHAWKUが作りたいと思った。(すみません!まだ作ってません!)
最後に買った塗料の日付が2006年だから6年前に作ったきりだ。(k.spencerさんと見せっこしたスズキ1300隼のマフラー塗装以来だ!)
箱を開けてみると懐かしいフェンダーやリアシートバーなどのメッキパーツが眩しい。
そうそう!鉄チンのメッキだったんだよなぁ・・・・。
このまま組んでしまえばプラスチックとは言えホンモノのメッキが再現できる。
しかしそれでは接着するだけのおコチャマ模型ではないか。
やっぱここは敢えてメッキを剥がしてメッキ風処理するのが大人模型ではないのか?
そこでネットで調べてみる。ホント便利だよ。
その結果、昨年の7月だから10ヶ月前にクレオスからメッキシルバーNEXTというメッキ風塗料が発売されていた。
Mrカラーは製造歴も使用歴の長いので安心だ。
ただ安いとはいえ900円!
下地用に買ったいつもの2番(ツヤ有ブラック)が160円だから5.6倍もする。
これを見る限りあくまでも「メッキ風」でメッキの輝きはない。
しかもクリア塗布+磨き出しが出来ない仕様のようなのでおそらくこれで最高輝度なのだろう。
でもまぁ、従来のステンレス・シルバーに比べたらスゴイ事になっていそうなので早速試してみる事にした。
いきなり細かなモデルに挑戦する前に、
@下地の程度を測る
A塗布の程度を測る
B乾燥の程度を測る
C磨き出しの程度を測る
をやってみる。
その素材に適当なものは無いか?部屋を見渡したら・・・・あった。
16年前に新築と同時に備えたエアコンのリモコン。
これまで文句一つ言わずに働いてくれている。
よし!一つ君をドレスアップしてあげよう!
まずは下処理から。
分解してガワだけにする。
ファンデーションの前に油分を落とす作業は女性のメイクと全く同じ工程なのだよ。
その油分を落とす前に顔を洗ってゴミを落とそう!
プラスチック消しゴムはプラスチックの汚れ落としに最適だ。
水やすりで油落としならぬ研磨。
#400 ⇒ #800 ⇒ #1000と磨いていく。
もう反射も何もあったもんじゃない、ただのプラスチック破片だ。
今回は2番をファンデーションとする為に敢えてサフしない。
しっかし調色容器にフィルムケースって・・・・・使い慣れているとはいえ・・・・。
久しぶりのエアブラシなので取り敢えず3倍希釈にしておく。
そのエラブラシ。
ワークアソシエーションの初版もので、スライド式のシングルアクションだ。
たしかセットで19800円だったと思う。
もうビニールホースが完全に硬化しちょる。
でも動いているあいだは使う。
毎度の事だが圧が低いので20回塗りほどする。
1日乾かしたところでメッキシルバーNEXTを取り出す。
希釈しないパシャパシャ状態なのでそのままカップに移す。
丁寧に30回塗りしてみた。
ふ〜む・・・・気に入らん・・・・・。
まったく気に入らん・・・・・。
確かに売り文句として記載しているような反射はしているので製品にウソはないのかもしれない。
しかしこれではメッキとは言わないよ。
早速調査に入る。
いろいろ調べてみると、
@下地の黒をぴかぴかつるつるにしておくこと
A空気圧を指定どおり0.03Mpa〜0.05Mpaでふわぁっと吹くこと
B下地の鏡面状態を消すまで吹かない
である事が判ってきた。
そこで研ぎ出すべくコンパウンドを買いに走った。
なんかコンパウンドもスゴイ事になってる。
確か1本しかなかったものが3倍に増えていた。
荒目/細目/仕上げ目の3種類らしいが、それではどれがどのくらいの粗さなのか?
がどこにも書いてない。
ダメじゃん!
しかも仕上げ目は他の2倍の値段で630円もするぞ!
結局試してみないと判らないので3本とも購入。
そっか・・・・それが作戦なのか・・・・。
試しに仕上げ目で研磨してみたら見事に下地が出てしまった。
やっぱ銀は難しい・・・・・。
という事でもう一度、下地から終始徹底して鏡面攻撃に切り替える。
水ペーパーの#240と#400で塗装を剥がしながら、再度、
#240 ⇒ #400 ⇒ #600 ⇒ #800 ⇒ #1000
で完全な面に仕上げる。
下地というか素材だけで鏡面になるまで研ぎ出す。
ブラックを20回塗りの2000番ペーパーを当てて1日休ませる。
翌日その上からクリアをたっぷりと吹いて2日間休ませる。
落ち着いたら2000番で研ぎ出す。
そのあとコンパウンドで順番に磨きだす。
全くの鏡面に仕上がる。
ここまでは通常の塗料だから問題なく進行。
本来ならここでスーパークリアを吹いてまたコンパウンドで磨き、最後にワックスで仕上げれば完成だが、銀はここからが勝負。
マーブルまでは問題なし。
というより金属片の多さに驚く。キラッキラしてる!
こりゃ厄介だな・・・・・・本当に磨きだす事はできないかもしれない。
だとしたら一発勝負か。
下地の黒が消えない程度に0.05圧程度で3回吹きで終了。
ちなみに左は普段から使っているエアブラシ用のテストピース。
正体は百均で売ってる花壇の名札だ。20枚で100円。
ちなみに一番左はブラックのみでクリアなし、その右はクリア後、
上から9回塗布、6回塗布、3回塗布のテスト。
その結論がクリアありの3回塗布が一番メッキっぽかった為。
この多量の金属片を沈ませて定着させるには自然乾燥でおそらく一週間は掛かるだろう。
だがそんなには待てないので3日目で研いで見た。
全体に白さが残る。
しかしこれを研磨すると一瞬で下地が顔を出す。
ギリギリの膜を剥がす為に、仕上げ目を僅かに塗布して全体に薄く延ばす。
一切力は入れない。力を入れると剥げる。
木綿の布を当てるか当てないか程度の乾拭きを30分行う。
ブッ!と拭いてしまいたい衝動に駆られるが、一瞬でオシャカになってしまうので自分を抑える。
その結果がこれ(→)
まぁ冒頭でも言ったメーカーがこんな感じです!って出してる資料と等価にはメッキしてると思うのでこのへんが限界なのかも。
だって欲を言えばきりないし。
だからこの手の塗料としては突出した実力だと思う。
結果的にちゃんとカメラも映り込んだし!(→)
金額にしてみると、
正味量18mlで塗り面積0.2m^2なので今回を0.0016m^2とすると
900/(2000/16)≒7.2円
という事で約10円でメッキ風が味わえるのならOKでしょ!?
でもホント!
欲を言えば無電解メッキなんかが数千円程度で個人が購入できるようになるといいんだがなぁ!
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