房総ツーリング


今回はこれまでに無いバイクライフの多様性というものを感じたツーリングだった。
取り回しの基本とセルフステアの重要性を身体で覚える事によって、公道における対応能力を高めトラブル回避に役立てる。
この概念は不動の信念であり、実際に毎年特別指導員であるカスペさんにリードしてもらっている山中湖キャンプ(!)でも皆さんから好評を得ていると信じている。
当然そこには低速域での取り回しとしてパイスラやクイックターン・バランスといった基本所作が含まれるし、峠に行けば嘗てのプロ指導員のカッちゃん師匠に峠の走りってもんを見せてもらって参考にしたものだ。
しかし今回のお初の面々はそうしたこれまでのバイクとの接し方と一線を画すパフォーマンスを見せてくれた。

【2014年4月27日(日)】

7時

自宅出発。快晴。
世間はGWの始まりだそうで(関係ねぇ〜し!)さぞ混んでいると覚悟していたが、そうでもなくスムースな流れ。
9時に富津集合という形は初めてだったので出発時間に確証が持てなかったのだが、宮野木JCTの渋滞は想定内としても前後の渋滞は少なめ。
館山自動車は君津IC以降片側1車線なので混雑が予想されたが、ここも問題なく通過できた。
富津中央まで約110分。
R127からすぐにR465に入り左折したコンビニが集合場所。

9時

結局5分前に到着という自分の感覚では珍しいギリギリセーフという到着だった。

今回の参加者は、
モリさん(KTM SMT)(お初です)
水道屋さん(KTM SM)(お初です)
コールさん(R1)(お初です)
がめら
というお初の方ばかりの集まりになりました。
(コールさんは大人の事情によりデイジーちゃんに変身中!)

外車とのツーリングは初めて。
SMはスーパーモタードの事だそうで、車高の高いオフ車っぽいのだが、エンジンはリッターあるのでパワフル。

県182の所謂”もみじロード”に入る。
ここはツーリングでもおなじみのコース・・・・・って、いきなり誰も居なくなった・・・・。
全員がお初なので当然どんな走り方をするのか?は知らなかったが、いきなり見えなくなるとは・・・・。
それではと開けてみたが100km/hを超えても追い付かない。
2車線の綺麗な道ではあるが、自分の感覚でいうこの道を走る速度ではない。
最初の2kmくらいでもう追うのはやめた。
それでも80km/hくらいをキープしながら走ると結構苦しいコーナーもある。
「あれ?これ違う・・・・これ面白くない・・・・」
しかしお初の方々をあまり待たせる訳にもいかないだろうし・・・・なんかいろいろ考えながら走っていた。

県34から県88に入る。
県88は特に名称はないのだが、千葉支部長だった(故)たつおさんが「しいたけ村コース」と銘銘して愛したコースだ。
回顧ツーリングではゆっくりと丁寧に走ったこのコースを、今回は100km/h超えで見えない人たち。
このコースで60km/h以上出すともう景色は見えない。
路面の状態と次のコーナーだけしか見えなくなる。
とても春の芽吹きを感じるどころではない。
この時点でもう帰路に付くまで一緒に走る事を断念していた。

10時半

R465に戻って県93に入り、JR久留里線の久留里駅を通過して県32に入る。
小湊鉄道を渡った県172から県177を南下すると再びR465に合流し、再びJR久留里線の上総中野駅に出る。

上総(かずさ)と読む。
千葉県人には当たり前の読み方だが県外の人は読めないようだ。

この上総中野駅は、小湊鉄道といすみ鉄道が乗り入れる接続駅となっている。
無人駅であり、両社が乗り入れに前向きでない為に、停泊なしの折り返し駅という、大変珍しい駅らしい。

どうも人が集まってる・・・・というより鉄ちゃんが集まっている・・・・・と思ったら、両社の車両が折り返しを待っている時間帯らしかった。

両社車両の休日の停車時刻を調べてみると、
小湊鉄道(着-発)
08:33-08:43
10:22-10:31
11:23-11:33
12:24-12:32
14:18-14:31
16:18-16:30
18:23-18:29
いすみ鉄道(着-発)
06:32-06:40
07:48-07:56
08:36-09:02
10:26-10:53
12:00-12:14
12:57-13:03
13:44-14:09
15:54-15:04
16:27-16:40
17:54-18:24
19:08-19:41
20:22-20:30

という事で両車両が同時に停車している時間帯は、
08:36-08:43の7分間
10:26-10:31の5分間
16:27-16:30の3分間
18:23-18:24の1分間
である事が判明。

どうやら我々はちょうど10:26-10:31の5分間に遭遇したようなのだ。
これは鉄っちゃんに言わせると「非常にラッキ〜!」なのだろう・・・・・か?

給油も兼ねて20分ほど休憩後、再び県177を南下。

11時

R128を左折して7kmで勝浦駅前に到着する。

駅から100mほどの処にあるおさかな処 さわで昼食。

11時半開店だそうだがもう並んでいた。

お昼のメニューは通常メニューと別らしく「さしみ定食なめろうの酢漬け」をチョイス。

同県人でありながら”なめろう”を酢に浸していただいたのは初めて。

尤も、酢といっても調理用のツンとくる代物ではなく、甘酸っぱい薄めの上品な味付けだった。(1800円也)

座敷でゆったりと1時間。
走りについて夢中でしゃべっている。

ひとしきり会話した後に、
「もしかして(がめらさんの)HPってゴツい鍵とか載せてませんか?」
と水道屋さんが切り出して驚愕する。
なんとこのサイトを知っていてくれたのだった。

以前に地元のクラブのツーリングに参加した際にも、
「あのHPの作者が同じクラブに居るとは思いませんでしたよ」
と言われた事を思い出した。

このサイトを立ち上げて早14年目。
どこで誰が見ているか判らない・・・・・これからもコツコツと真面目に掲載していこうと思う。

13時

ここでコールさんとお別れ。

優しそうな風貌とキレた走りがまるでかみ合わない面白い方でした。

R128を海岸線沿いに26km走って県89の手前の市道(?)に入る。
もう知らない道ばかりだ。
どうして舗装してあるのか?判らない細い山道ともいえる一本道を100km/hオーバーで消えていく人たちにすっかり慣れたので、気にせず風景と気温を感じながら流す。

「峰岡浅間」という場所にさしかかると何やら神社への入り口看板のようだったが、とっくに先に行ってしまった人たちを無視して逸れる訳にもいかず走り続ける。

12kmほどでR410に合流するがすぐに逸れた市道に入り愛宕山を目指して登り始める。

愛宕(あたご)山は標高408.2mで千葉県で最も高い地点!

しかし道路から逸れた山頂は自衛隊施設があり許可が必要だ。
全国で唯一最高峰の頂上に自由に到達する事が不可能な県らしい。

当然全国で一番低い最高高度の県である事から、
「408mはスカイツリーの第2展望台450mよりも低く、したがって千葉県内の全ての地点は第2展望台よりも低いところに位置する」
らしい。嬉しいんだか悲しいんだか・・・・・。

降車しては写真を撮りながら進んでいると向こうからモリさんが走って来た。
「やっぱり・・・・・」
内心感じていた事だった。

走る目的が異なる場合、その時間配分は大きく変わってくる。
そしてその歪は周りの人を不安にさせたりイラつかせたりするものだ。
モリさんは「道を間違えていたらと思って」心配して戻ってきてくれたのだし、大変有難い話なのだが、もし人数がもっと多ければ不協和音のネタになる事は間違いない。
(この組み合わせでのツーリングは難しいな・・・・)
と感じた一幕だった。

14時

約7kmで朝方走った県34に合流。
もみじロード手前で休憩。

ふと横を見ると「鯛の浦まで29km」とある。
本当に30km先から誘導してくれるつもりなのか?
29kmの地点で「もう近いでしょ!」と言っているのか?
不思議な看板だ。

千葉県の県花である”菜の花”はもう旬を過ぎて次世代への準備に取り掛かっている。

例年は庭一杯に咲かせている菜の花だが、実は今年は種まきの時期を逸してしまい全滅させてしまった。

だからこうした立派な種が育っていると嬉しく思う。
あと一ヶ月もしたら収穫時期だな。
来ちゃおうかな・・・・。

15時

集合地点のコンビニ到着。

暫く談話の後、現地解散。
水道屋さんはアクアラインへ、モリさんとは速度の違いから自然解散となった。


皆さんお疲れ様でした!
雨の心配もなく爽やかな一日を過ごせました。

文中にも記しましたが、今回は「ツーリングの目的を同じく持たないとお互いに気の使い方が大変!」という事を改めて理解しました。
そう感じた一番の要素は、やはり今日の参加者の速度レンジが余りにも高くしかも適切に操舵する技術を持っている事でした。
ただ適切には違いなくても一般道である事には変わりはなく、コースの見切りにおいて動く落ち葉や動物の飛び出しなど突発的な要因を考えるとその場で緊急停止できる速度レンジではありません。
つまりは「多分大丈夫だろう」が多分に含まれている事は否めない状態でした。

これまでの自分の公道限界はこうした要素の100%を払拭した上に成り立たせているつもりだったので、それをあっさりと上回っては消えていく操舵技術に対して自分自身が自信を持って追随できなかった一番の理由です。

またそれ以前の前提で、人との会話や食事などは楽しく過ごせても、走行中の形相を省みて「なんだか楽しくない・・・・・」と感じたのは、やはり首を上に上げて左右を見回しながら停車してノビ・・・・・が出来なかったフラストレーションだったのでしょう。

最後に感想として冒頭で述べた言葉をもう一度。
これまでに無いバイクライフの多様性というものを感じたツーリングでした。

総走行距離:324.3km
燃料消費量:23.68L
燃料消費率:13.69km/L

おしまい!